大判例

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高松高等裁判所 昭和41年(ネ)51号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕本件不動産の所有権の帰属について。

ところで、代物弁済は、本来の給付に代えて他の給付をなすことによつて債務を消滅させる債務者と弁済者との契約であるから、それが債務消滅の効力を生ずるには、債務者が本来の給付に代えてなす他の給付を現実になすことを要し、単に代りの給付をなすことを債権者に約するのみでは足りず、従つて他の給付が不動産の所有権を移転することである場合には、当事者がその意思表示をなすだけでは足りず、登記その他引渡行為を終了しなければ代物弁済はその効力を生じないのが原則であるといわなければならない(最高裁判所昭和三七年(オ)第一〇五一号、同三九年一一月二六日第一小法廷判決、民集一八巻九号一九八四頁参照)。しかしながら、右の場合においても、債務者が所有権移転登記手続に必要な債務者側の書類一切を債権者に交付してその給付行為を完了するとともに、これによつて代物弁済を成立せしめることを合意したときには、ただちに右代物弁済はその効力を生じ、該不動産の所有権は債権者に移転して債務は消滅するにいたるものと解するのが相当である。

いまこれを本件についてみるに、前記認定(二の(二))のとおり、債務者である訴外織田は代物弁済の目的物である本件不動産の所有権移転登記手続に必要な債務者側の一切の書類を被控訴人に交付するとともに、これによつて右不動産の所有権をただちに被控訴人に移転してその債務を決済する旨を合意したのであるから、前説示のとおり右代物弁済はただちにその効力を生じ、本件不動産の所有権は被控訴人に移転するにいたつたものといわなければならない。(橘盛行 今中道信 藤原弘道)

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